―――「私が子どもだから…和樹さんは何もしないのかなぁ」
郁美は自分の膨らみかた胸を見ながらつぶやいた―――

和樹はスランプに陥っていた。
まあ今回の不調は同人への情熱がなくなってしまったという類ではない。
なかなか売上が伸びないのである。
大学生になっても続けている同人活動はそれなりに順風満帆だった。
固定のファン、常連もいる。
しかし最近は、周りの、和樹より絵も想いもイマイチだと思えるような
そんなサークルが出している本のほうがよく売れているのである。
和樹自身、その理由はわかっているのだが…。

「やっぱり手っ取り早く売上を上げるにはエッチなものを描くしかないか」

和樹は今までに18禁本を出したことはなかった。
そこに意図的な理由はあまりなかった。強いてあげればふたつ。
ひとつは単にエッチよりも描きたいものが他に沢山あったから、と言うものである。
それで満足だったし、売上も伸びていた。それが今は横這い状態である。

最近は、『どうして、千堂先生はHなものを書かないのですか』
『千堂先生の描く18禁本が読んでみたいです』というようなファンレター
もたびたび貰うようになった。

「まいブラザーよ。自分自身のリビドーをぶつけることが良い作品を生む、
しかし読者が求めるような作品も描けなければ、一流の作家とはいわんぞ」
大志の言葉が耳に痛い。

そんなこんなで現在、机にかじりついているのだが
いざエロを描こうとするととたんに手が止まってしまう。
それでも四苦八苦しながら一応は描いてみたが…
和樹は鉛筆をまわしながら宙を眺めていた

突然、背後から声がした。
「こんにちは和樹さん」
「?! 郁美ちゃん! びっくりしたなぁ」
きれいな赤髪を2つの大きなリボンで束ねたツインテールの女の子。
彼女の名前は立川郁美。郁美とは即売会で知り合った。
今では和樹の一番のファンであり、何を隠そう恋人である。
一人暮らししている和樹の部屋の合鍵も持っている。
ただし、○学生であるが。

「ちゃんと部屋に入る時にノックもしました。ほんと
本を作るのに熱中していると周りがみえなくなるんですから」
「ごめん」
なごやかな雰囲気により和樹には失念していることがあった。

「それはいいのですが…」
郁美は言いよどんだ。なぜか顔は真っ赤だ。
「男の人がこういうものを好きだということは知っていましたが、
こんなにたくさんあったらさすがに恥ずかしいです」
実は今の和樹の部屋は資料用にと準備したアダルトビデオや
写真集、エロ同人誌が散乱していたのだ。

「ち、違うんだ。これは大志のやつが…じゃなくて資料が」
和樹自身、何を言っているのかわからない。
冷や汗ダラダラの状態である。
…いまさらではあるが、和樹は部屋を片付け始めた。

となると今度は原稿の方が手薄になる。

「…和樹さんの新作はエッチなものなんですね」
またまた頬を染めて郁美が言った。

「わわっ!それは…」
かたそうとしていたAVをすておき、和樹は原稿を奪おうとした。
「待ってください!」
郁美はそれを手で制した。真面目な顔つきになっていた。
そして最後まで読み終えて、言った。
「和樹さん。この作品はいただけません。
まずこのページ。女性の乳房や性器はこんなにいびつな形をしていません。
あと、主人公の心理描写も変です。初体験で相手を思いやるとか
そんなことありません。普通は気が付いたら果ててたというくらいです」
「…」
「折角、いい雰囲気で話が進んでいるのに最後の性描写が足を引っ張っています」
和樹にもそれはわかっていた。
「それは、俺もなんとなく感じていた。しかし、今の俺には
それ以上のものはかけないんだ」
「…もしかして、和樹さん?」
和樹はその疑問には応えず、再び部屋を片付け始めた。

そう、和樹が18禁に手を出さなかったもうひとつの理由
それは和樹が童貞であるということだった。
さすがに女性の裸も、気持ちもわからないでは心の入った漫画にはならない。

部屋の中がやけに静かに感じられた。

どれだけ時間がたったのだろうか。

なにかを考えている風だった郁美が意を決して言った。
「和樹さん、私のからだを使って、その…同人誌を描いてください!」
そして、郁美は和樹の目の前で着ているものを脱ぎ始めた。

和樹は最初何が起きているのかわからなかった。
自分の部屋で○学生の少女が裸になろうとしている。
あわやブラを外そうかとしたところで
我に返った和樹はあわてて止めさせた。

「郁美ちゃん。どうしたんだ。急に。さっきのことなら別に気にしてないよ」
郁美は潤んだ瞳で応えた。
「私は和樹さんにいい作品を描いて貰いたいんです」
「だからって、なにも郁美ちゃんがはだかにならなくてもいいんだよ」
「それだけじゃないです。和樹さん、ずっと私に何もしないでいる。
彼女なのに…きっとわたしが子どもだから…」

「そんなこと、気にしなくてもいいんだよ」
和樹は静かに言った。
「同人をかけないのは俺の力不足さ。それに
何もしないのは本当に郁美ちゃんのことが大切に思っているからで…」
しかし、その言葉をさえぎって郁美は強く言った。
「私の為になら…いまここで抱いてください!
不安なんです。このままなにもしないままでいたら和樹さんも
これからの作品もダメになってしまうような…そんな」
正直、和樹は悩んでしまった。
そうは言うものの郁美はまだ子どもである。
ただし、和樹のモノはすでに郁美の下着姿に反応していた。
第一、和樹自身、最近のリサーチもありsexに興味もある。
「…それじゃあ、ちょっとだけ、試してみようか、嫌になったらすぐやめるから」
煮え切らない返答だったがそれで郁美は了承した。
そして、ふたりはベットへと移動した。

和樹も裸になっていた。郁美は男のモノを初めて見たわりには驚いていなかった。
「漫画に載っているモノよりおもしろい形ですね」
というのが彼女の弁。

「本当に、いいのかい?」
よくある台詞なのだろうが、いざとなると確認してしまう。
「やっぱり嫌です。…と言ったらやめてくれますか?」
「いいや、やめない」
こんな時でも軽いジョークをいれて緊張をほぐしてくれる。
郁美はゆっくりとブラジャーを外した。
彼女のからだはほんとうに綺麗だった。
幼い頃の手術の傷の後が残っていたがそれさえも美しく見えた。
「恥ずかしいからそんなにじろじろ見ないで下さい」
「それじゃあ漫画の参考に出来ないよ」
「あっ!そうですね…ははっ」

郁美の胸はかろうじてAカップの膨らみがあるくらいだった。
「…しっかり見ておいてください。絶対に、忘れないくらい」

和樹はやさしく、やさしく郁美の乳房を揉み始めた。
そして、その手を次第に下半身へと移動させてゆく、
下着の上から郁美の股間をまさぐった。
そして可愛らしいパンティをそっと脱がせた。
初めて見る郁美のそこは
無毛のそこはまるで熟れたての桃のようだった。
すでにしっとりと濡れていた。
和樹は丹念に乳首を舐めながら指をスリットの中をなでた。
中は温かいというよりは熱く、ぬめりが感じられた。
郁美の汗が粘性を帯びてきた。
郁美の息遣いがハァハァと荒くなる。乳首が立ち秘所がかすかに震えた。
「あ…あっ…!和樹さんっ!」
郁美は絶頂に達した。

「どんな感じだった。郁美ちゃん」
息を整えながら彼女は言った
「…指だけだとは…思えないくらい不思議な感じが…
やっぱり自分でするのとは違いますね…ってなにを言わせるんですかっ」

「このままでは、和樹さんにもうしわけありませんので」
そういうと郁美は和樹のモノを手にした。
「うまくできるか自信はありませんが私の口で…」
その小さな口からハァハァと吐息が漏れる。
湿った唇がそっと和樹のモノに触れる。
「…ウッ」
和樹は今まで感じたことのない不思議な感覚に途惑った。
幼く、小さい、そんな口を精一杯広げて和樹を包み込んでくる。
郁美はうつむき加減で頬を赤くした。
慣れてきたのかゆっくりと上下に口を滑らせた。
和樹のモノはぬかるんだ口の粘膜に包まれて、温い唾液に浸されシェイクされている。
ちゅぷちゅぷと少女の奉仕する音が響いている。
意外にも郁美は上手かった。同人誌で得た知識だろうか。
鈴口、くびれ、的確に男の弱点をついてくる。

郁美に上目づかいに見つめられたとたん
和樹は我慢が出来なくなった。
「もう射精るよ。郁美ちゃん口を外さないと」
和樹が叫んだ。しかし郁美はよりいっそう動きを早めた。
「我慢しなくていいんです。私の口の中でイってください」

和樹はこのまま出してはいけないと必死で耐えようとした。
しかし、それがよりいっそう快感を高めた。
「ごめん、郁美ちゃん!」
モノはびゅるんとひとはねすると精液を郁美の口の中に注ぎ込まれた。

「大丈夫、郁美ちゃん!早く吐いて!」
しかし、郁美はコクンと喉を鳴らし和樹の精液を飲み込んだ。
「んー、やっぱり精液って美味しいものじゃないです。
飲んで飲めなくはないけど、漫画のようにはいきませんね」
涙目で郁美は言った。
和樹は自分の同人のために飲んでくれたことに気が付いた。
そんな郁美をいとおしく感じた和樹は頬にそっと口づけをした

それからふたりは裸で抱き合ったまま、一緒に眠った。
結局、本番まではやらなかった。しかし、和樹はそれでもかまわなかった。

ひとつだけ確かにわかったこと。sexという行為にこだわることはないと。
大切なのは抱き合うことで伝わってくる…愛する人の温度。
手紙や会話というコミニケーションとは違う
直にからだが触れ合っている。それだけで心が安心する。
理解し合うのではなく感じ合う。sexはそのおまけみたいなもので、
だから年がどうとか、やったことがないとか
そんなのことは大好きという気持ちの前では何も関係ないということを。

和樹の18禁に対するわだかまりは消えていた。

1週間後、和樹の原稿が出来上がった。
「和樹さん、これならいけます。おもしろいです」
「そうかな。実は自分でもなかなかいい出来かな?とは思うんだ」
「これなら絶対うれますよ。でも、女の子の裸は書かなかったんですね」
「うーん、郁美ちゃんのおかげでsexシーンは上手く描けるようになったけれど
今回はやめたんだ」
「えー、どうしてですか? …やっぱり私の身体はちっちゃいし、
参考にならなかったんですね…」
「…いや、だっておれが描くとどうしても郁美ちゃんっぽくなっちゃうだろ?」

和樹は照れながら続けた。
「…他のヤツに郁美ちゃんのからだは教えられないよ。
俺だけのモノにしておきたいから…」
そう言うと和樹は郁美を抱きしめた。

そんな和樹の耳元で郁美はささやいた
「これからもスランプになったときは郁美にまかせてください!
和樹さんの為だっらどんなことでも解決してみせます」





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